日本理学整体学会公認
Therapeutic Manipulation without Pain
「ローテータ・カフ」。
カフ(cuff)とは、昔の王宮貴族の服に付いていた装飾用のヒラヒラした袖口のことだそうです。
今でもワイシャツの袖口のことをカフスと言ったりしますよね。
でもこのカッコいい名前のインナーマッスルは、手首ではなく肩にあります。
肩の周りで袖口のように上腕骨を取り巻いている筋肉群です。
日本語では「回旋筋腱板」と言います。
肩関節、もう少し正確に言うと「肩甲上腕関節」は「膝(ひざ)のお話」でも出てきた「球関節」になります。
ところが球が納まる窪みが非常に浅く、ほとんど平面状になっています。
したがって、簡単に外れないように靭帯で固められていますが、あまりガチガチに固めてしまうと、自由に動かせなくなってしまいます。
人間の肩は可動範囲を大きく取れるような構造になっている反面、外れやすく、また痛めやすくなっています。
それを補強しているのがローテータ・カフなのです。
かつての大横綱 千代の富士が肩の脱臼を克服するために、ローテータ・カフを鍛えて鎧のような肩の筋肉を作り上げた話は有名です。
第58代横綱 千代の富士(日本相撲協会公式サイトより)
ローテータ・カフとは、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋※の4つの筋肉を指します。
これらの4つ筋肉で上腕骨頭(上腕骨の上端)を包んで滑らかな肩の動きを実現すると同時に、肩甲上腕関節が壊れないようにサポートしています。
これらの筋肉がうまく働かないと四十肩や五十肩と呼ばれる症状が出てきます。
逆にこれらの筋肉を鍛えることで、投球を行ったりラケットを振るスポーツや投擲種目の選手は、パフォーマンスの向上が期待できます。
※ 小円筋は棘下筋と同じ働きをします。
では、これらの筋肉はどうやって鍛えればよいのでしょうか。
下図に各運動を示しますが、1kgくらいの軽いウェイトで行うのがキーポイントです。
重いウェイトを使うと大胸筋や三角筋、広背筋といった大きな筋肉を使ってしまうからです。
整体でも、ローテータ・カフの調整は患者さんに腕を動かしもらって同じことをします。
したがって、運動の仕方が分ったら、高いお金を払って整体に来なくても自分でできます。
但し、やりすぎには気を付けてくださいね。
(ロードオブザ筋肉より)