日本理学整体学会公認
Therapeutic Manipulation without Pain
少し前の話になりますが、4月に整形外科に行ってきました。
昨年の診断でヘルニアの兆候は見られなくなりましたが、念のため1年後に診察に来てくださいと言われていたためです。
今回はこれまでの老先生ではなく、30代くらいの若い先生でした。
前回撮影したMRI画像を見ながら「全く問題ないですね」というのが、若先生の診立てでした。
その前撮ったMRIではヘルニアがあったのですが…と言うと、「小さなヘルニアは誰にでも見られるものです」「よほど大きなヘルニアでない限り手術の対象にはなりません」とのこと。
おーっ、ようやく整形外科も本当のことを言うようになってきたかと、少し感心しました。
日本人の80%くらいはヘルニアの兆候があり、腰痛を全く感じない人でも相当重症のヘルニアがあったという報告があります。
一方で、ヘルニアの手術をしてヘルニアは無くなったのに、腰痛が改善しない、逆に腰痛がひどくなったという話はいっぱい聞きます。
このようにヘルニアと腰痛とは因果関係が無いことはかなり昔から分かっていたのですが、整形外科ではつい最近まで腰痛の原因はヘルニアだと言い続けていました。
その認識が、今回診察を受けた若い先生のように変わりつつあることは喜ばしいことです。
ところが、ヘルニアが腰痛の原因でないとすると、ヘルニアに代わる別の原因を仕立てないといけません。
そこで出てきたのが’脊柱管狭窄症’です。
脊柱管狭窄症は昨今出てきた新しい病気ではありません。
にもかかわらず、最近急に脊柱管狭窄症患者が増えた気がします。
日本整形外科学会によりますと、脊柱管狭窄症の3大症状は「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」「下肢の痛み」「下肢のしびれ」になります。
しかも、脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くないと言っています。
「日本整形外科学会ホームページ」より
では、脊柱管狭窄症が流行ってきた原因は何でしょうか?
これはマスコミの影響が大きく関わっているのではないかと思います。
特に日本放送協会などは脊柱管狭窄症を取り上げた番組を頻繁に放映しており、脊柱管狭窄症を国民病に仕立て上げようという陰謀でもあるのではないかと疑いたくなります。
そして、脊柱管狭窄症の3大症状を殊更強調して、国民の不安を煽っているように思えてなりません。
たとえば、誰でも歳を取ると昔のようにスタスタと長い時間歩き続けることができなり、ある程度歩くと息が上がって歩き続けるのが辛くなります。
これを間歇性跛行じゃないかと不安を煽ります。
下肢の痛みやしびれは、恒常的でなければ多かれ少なかれ殆どの人にあります。
それを整形外科に行って伝えると’脊柱管狭窄症’という立派な病名が付いてしまうのです。
本当はMRIや脊髄造影などの検査が必要ですが、仮にこれらの検査で脊柱管狭窄症と診断されたとしても、ヘルニアと同様、腰痛との因果関係は不明であるというのが現在の医学の見解です。
また、同様の症状は下肢の血行障害でも発生します。
これらの事実を正しく伝えることを整形外科のお医者さんには期待します。
マスコミの企画に便乗して、徒に国民の不安を煽るお医者さんにはなって欲しくないと思います。