日本理学整体学会公認
Therapeutic Manipulation without Pain
前回「ロコモティブ」の意味を見ましたので、今回は残り「シンドローム」について見てみましょう。
「シンドローム」、日本語では「症候群」と訳されます。
これはもともと医学用語でしたが、「ピーターパン・シンドローム」や「チャイナ・シンドローム」のように広くは社会的現象にまで使われています。
広義の意味まで広げると収拾がつかなるので、医学的な意味に限って話を進めます。
Wikipediaによりますと、
2009年の日本人の平均寿命は女性86.44歳、男性79.59歳と、女性は世界一、男性は世界5位の長寿国です。
ここのところ100歳以上のお年寄りが行方不明で減っていますので、平均寿命は若干下がるかもしれませんが、日本が有数の長寿国であることに変わりはありません。
もう一つ「寿命」の概念として「健康寿命」というのがあります。
文字通り健康でいられる寿命ですが、ここで言う「健康」とは「介護を必要としないで自立した生活ができる」ことを意味しています。
2004年の日本人の「健康寿命」は、女性80.63歳、男性で77.64歳(平成18年度 国民生活白書より※)です。
※健康寿命の計算方法はいくつかあり、同年WHOが発表したデータでは、日本人の健康寿命は女性77.7歳、男性72.3歳になっています。
以上の関係を図示すると下のようになります。
そして、寿命を終わらせる3大原因が「癌(がん)」「心臓病」「脳卒中」であるなら、かたや健康寿命を終わらせる3大原因は「脳卒中」「運動器疾患」「高齢による衰弱」となっています。
なので、厚労省は2006年、介護予防の観点から運動器リハビリテーションの対象となる「運動器不安定症」なる病名を創出したのです。
次回は、いよいよロコモとは何か、ロコモの中身に入って行きます。