不思議な肩甲骨(4)

  巧(うま)く投げるにはどうすれば良いかは様々な解説書が出ていますが、ここでは肩甲骨の動きに着目してみましょう。 先ずは、野球の投球動作です。
  背中側が見える投球連続写真がなかなか無かったのですが、肩甲骨の動きが分かりやすいものを幾つか紹介します。 最初は広島の前田健太選手と中日のチェン・ウェイン選手です。 最もテイクバックしたときに両肩の肩甲骨が内転し、リリースポイントで両肩とも外転している様子が分かります。

前田健太の投球フォーム
チェン・ウェインの投球フォーム

  次は1996年のオールスターで登板したときのイチローの投球フォームですが、やはり両肩の肩甲骨の同調した動きが見られます。

イチローの投球フォーム

  アンダースローでも同様です。 下は千葉ロッテの渡辺俊介選手のフォームですが、やはりテイクバックで両肩が内転し、リリースポイントで外転する同調運動が見られます。

渡辺俊介の投球フォーム

  次はテニスのサービスを見てみましょう。 これも野球のピッチングと同様、両肩の同調運動が認められます。 上から、A.コレッジャ、T.ヘンマン、もいっちょT.ヘンマン、M.フィリプーシス、K.クレイステルスです。
  テイクバックが終わってまさに打ちにいこうとする瞬間、いわゆるラケットが落ちたとき、両肩の肩甲骨が内転しています。 そして、インパクトから少し振り抜いた瞬間、両肩の肩甲骨がともに外転しています。 この左右の同調運動によって、スムーズでかつ力強い振り抜きが可能になります。

コレッジャのサービスフォーム
ヘンマンのサービスフォーム
ヘンマンのサービスフォーム
フィリプーシスのサービスフォーム
クレイステルスのサービスフォーム

  巧く投げるためのコツは色々ありますが、この肩甲骨の内転→外転の同調運動を意識してみるのも改善のヒントになるかもしれません。 一度試してみてください。


ここで紹介した写真は、以下のサイトから拝借しました。
  野球のピッチングフォーム : クーニンスポーツ & 幕張STYLE
  テニスのサービスフォーム : テニス365