日本理学整体学会公認
Therapeutic Manipulation without Pain
11月22日昼前からだんだんと腰部に痛みが出て来、夜には大きく身体を動かそうとすると「うっ」と腰を押さえる程の痛みになった。 数年ぶりの腰痛であったが、学生時代に腰を痛めてからこの程度の腰痛は度々経験しており、対症方法も心得たものである筈であった。 ところがその日の夜中、寝返りを打った際に激痛で目が覚めた。 時計を見ると午前2時半頃だったと記憶している。 その晩はその後痛みでほとんど眠れず、明るくなった頃に痛みを我慢して無理やり起き上がり、数歩歩いたところで止まった。 動けないのである。今回はかつて経験したことのない激しい痛みであった。
学生時代の腰の怪我というのは、平行棒で落ちて一気に「腰を入れた」(我々の’競技界’では大きく伸展することを「入れる」と呼んでいた)状態になったものである。
海老反り状態である。
このときも何とか下宿まで一人で帰って、翌日は一人で整形外科に行けた記憶がある。
腰痛で歩けないというのは初めての経験であった。
腰痛のときは腹筋を締める。
そうすると痛みが消える。
ところが、今回はいくら腹筋に力を入れても痛みはいっこうに変化しない。
これも初めての経験である。
正直焦った。
どうやって布団まで戻ったかよく覚えていないが、横になったあと痛みが軽減する方法を探った。
その中で寛骨(腸骨)を開く(専門的には「外転」する)方向に力を入れると楽になることが分かった。
さらに痛みの個所と痛みが激しくなるときの姿勢を分析すると、どうやら痛めているのは骨盤の中の仙腸関節のようである。
仙腸関節となると思い当たる節があり、原因は数日前に行った整体体操であると思われました。
それは仙腸関節を緩める体操であり、少々無理な体勢で行うため慎重にやったつもりであったが、私の身体には合わなかったということです。
整体でも「好転反応」と呼ばれる痛みが施術後に出ることがあります。
「好転反応」か「壊れ」かは普段通りに動けるかどうかで判断できます。
痛みが出ても動くのに何ら支障が出ないものは「好転反応」で、『私と整体との出会い(2)』で書いている’好ましい痛みに感じた’ものが該当します。
しかし、今回のは明らかな「壊れ」です。
整体でも、Aさんには有効であったものが必ずしもBさんには効果的であるとは限らず、場合によってはBさんの身体を壊してしまうこともあります。
整体体操に関しても、何でもかんでも試してみるというのは危険があるということを再認識しました。
では、どうすれば良いのでしょう?
いま私が言えるのは、残念ながら「恐る恐る試してみる」ということだけです。
整体体操(「骨盤体操」や「自力整体」と称しているものも同じ)では、緩めたいところを揺する運動が多くあります。
しかし、最初から揺するのは避けた方が良いと思います。
先ずは夫々の体操(姿勢・ポーズ)が何を目的としているかをきちんと理解して、対象となる部位への力の掛かり具合をしっかり感じ取るようにします。
そして力の具合を感じられたら、揺すった方が良いときには自然と身体が動きます。
そうでないときは静的に力を掛けながら、ゆっくりと無理の無い範囲で徐々に姿勢(ポーズ)を作っていきましょう。
つまり、姿勢が不完全な状態で決して揺すらないということです。
人の身体は千差万別であり絶対大丈夫と言い切れるものはないこと、生兵法は怪我のもとであることを認識して慎重に行うことでしょうか。
情けないコメントで申し訳ありません。m(_ _)m
余談ですが、今回の腰痛はかつて経験のない酷いものではありましたが、いつもお世話になっている整体院のお陰で1週間でほぼ回復できました。 この後も軽い痛みが残っていましたが、12月18日「ヘソのぞき体操」をしているときに仙腸関節が’パキッ’と鳴って痛みは完全に取れました。
ヘソのぞき体操(代表的な腰痛体操の一つです)