厚生労働省の国民健康づくりのプランを下図に示します。
第3次国民健康づくり対策「健康日本21」が今年3月で終了し、2013年度(平成25年度)からは第4次国民健康づくり対策が始まります。
第3次・・・の中にある「Smart Life Project」は健康寿命を延ばすことを目標にしています。
また、「次期国民健康づくり運動プラン策定」の基本方針では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を第1に挙げています。
また、文部科学省の第4期科学技術基本計画の中には、ライフイノベーション推進の一つとして
『高齢者や障害者のQOLの向上や介護者の負担軽減を図るため、生活支援ロボットやブレインマシンインターフェース(BMI)機器、高齢者用のパーソナルモビリティなど、高齢者や障害者の身体機能を代償する技術、自立支援や生活支援を行う技術、高度なコミュニケーション支援に関する技術、さらには介護者を支援する技術に関して、安全性評価手法の確立も含めた研究開発を推進する。』
とあります。 この科学技術基本計画は、2011年(平成23年)8月19日に閣議決定されされ、2015年度(平成27年度)までの5年間を対象としています。
バイオメカニズム分野の主な研究資金は、これらの政策に基づく国家予算から出されています。 これはバイオメカニズム分野に限った話ではなく、多くの研究分野や技術開発における研究資金は、政策に基づいて組まれた国家予算−すなわち税金から出されています。
限りある予算を多くの大学・研究機関で奪い合うことになりますので、何とか予算を獲得しようと大学の先生たちは本当にご苦労をなさっています。
研究分野の隙間を狙って、他の人が手を付けていない研究テーマを捜し出さないとなかなか研究提案が通りません。
このような隙間を狙った活動をニッチ(niche)と言います。
‘niche’のもともとの意味は、彫像や花瓶を置くための壁の窪みや小さな出窓のことです。
少し話がそれてしまいましたが、バイオメカニズムはその名の通り生物学と物理学のニッチです。
そしてこの学会には、隙間を狙っていろいろな分野の研究者がなだれ込んできています。
そのためか、学会としては39年の老舗ですが、学問としてはまだまだ成熟していない感じを受けました。
学問として成熟していないということは、逆に言えば可能性と発展性があるということです。
一方、『理学整体のエビデンスを示す手がかりが得られないか』という命題に対する答は、今回は見つかりませんでした。
今後も機会があれば、学会やシンポジウムに参加して情報収集するとともに、引き続いてバイオメカニズム分野の研究成果を見ていきたいと思います。